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遺家族信託Q&A

民法改正 配偶者の自宅の持戻しの免除(2018/08/31)

夫婦間での居住用不動産の持ち戻しの免除

 居住用不動産について、配偶者に生前贈与か遺贈した場合には、相続の際に特別受益として持ち戻しを行わないこととされます。(2019113日までに施行予定)

1.  特別受益者の相続分

相続人のうち、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻もしくは養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、法定相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分としています。

2.  特別受益の持ち戻しの免除

被相続人がこの遺贈又は贈与の価額を加えないとする意思を表示したときは、その意思に従い、相続財産に加えないこととされます。

3.  居住用不動産の持ち戻しの免除

婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与した時は、その被相続人は、その遺贈又は贈与について特別受益の持ち戻しの適用をしない旨の意思表示をしたものとされます。

 その結果、配偶者の相続分が、従前は自宅不動産の持戻しにより、金融資産等の他の財産の相続分が減少しましたものが、改正後は持戻しがないことにより、金融資産等の相続分が増すことになり、配偶者の生活の安定が図られるようになります。

 改正前              改正後

2018y08m31d_131943786.jpg

 このように、改正後は配偶者の金融資産等の相続分が増すことになります。

民法改正 配偶者の居住権(2018/08/19)

配偶者居住権及び配偶者短期居住権の創設

 被相続人の配偶者の相続後の自宅に住む権利として、新たに居住権が2年以内に設けられることになりました。その内容は次のようなものです。

1.  配偶者居住権

(1) 配偶者居住権とは

被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得したときや遺言で指定されていたときは、その居住していた建物(以下、「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下、「配偶者居住権」という。)を取得します。

この配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間です。ただし、遺産の分割の協議もしくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めによります。

また、この配偶者居住権について遺言で特別受益の持戻しの対象としないこと(遺産分割上、相続分に関係させないこと)ができます。

ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合においては、この配偶者居住権は適用されないことになっています。

(2) 配偶者居住権の登記

居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います。

2.   配偶者短期居住権

(1) 配偶者短期居住権とは

配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合においては、遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間、その居住していた建物(以下、「居住建物」といいます。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下、「配偶者短期居住権」という。)を有します。

ただし、配偶者が相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したときや欠格又は廃除によってその相続権を失ったときは、その権利はなくなります。

 一方、相続又は遺贈により居住建物を取得した者は、遺産分割協議によらない場合に、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができます。この場合の配偶者の「配偶者短期居住権」はこの申入れの日から6か月を経過する日までとなります。

 この配偶者短期居住権がある場合においては、相続又は遺贈により居住建物を取得した者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはなりません。

民法改正 新しい法務局での遺言書の保管(2018/08/13)

新しい法務局での遺言書の保管の制度

 

 民法改正に伴い新たに2年以内に法務局での自筆証書遺言の保管ができるようになります。この法務局での保管の制度は以下のような内容です。

1.  遺言書の保管の申請

 遺言者は、遺言者の住所地もしくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局の遺言書保管所の遺言書保管官に対し、遺言書の保管の申請をすることができます。

この場合の遺言書は一定の様式に従って作成した無封のもので、その申請書に遺言書の作成の年月日、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍、受遺者や遺言執行者の氏名又は名称及び住所等を記載し、それらを証明する書類を添付して、自ら出頭して申請を行います。

遺言書保管官は、遺言書の保管の申請があった場合において、その申請人が本人であるかどうかの確認をするため、一定の書類の提示又は提出を求めます。

 

2.  遺言書の保管と閲覧、撤回

遺言書は、遺言書保管所において保管されます。また、遺言者は、その申請に係る遺言書が保管されている遺言書保管所(以下、「特定遺言書保管所」といいます)の遺言書保管官に対し、いつでもその遺言書の閲覧又は申請の撤回を請求することができます。

 

3.  遺言書に係る情報の管理

 遺言書に係る情報の管理は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む)をもって調製する遺言書保管ファイルに、次に掲げる事項を記録することになります。

   遺言書の画像情報

   遺言書の作成の年月日、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍、遺言書に記載された受遺者、遺言執行者他

   遺言書の保管を開始した年月日

   遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号

 

4.  遺言書情報証明書の交付等

遺言者の相続人、受遺者又は遺言執行者等は(以下、「関係相続人等」という)は、遺言者が死亡している場合において、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(以下、「遺言者情報証明書」という。)の交付を請求することができます。

この「遺言書情報証明書」の請求は、自己が関係相続人等に該当する遺言書(以下、「関

係遺言書」という。)を現に保管する遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもできます。一方、遺言書保管官は、請求により遺言書情報証明書を交付し、又は関係遺言書の閲覧をさせたときは、速やかに、その関係遺言書を保管している旨を遺言書の相続人並びに受遺者及び遺言執行者に通知します。

 

5.  遺言書保管事実証明書の交付

また、誰でも遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無や記録

されている遺言書の作成の年月日及び遺言書保管所の名称及び保管番号を証明した書面(以下、「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができます。

 

6.  遺言書の検認の適用除外

家庭裁判所における遺言書の検認手続きは、この遺言書保管所に保管されている遺言書

については必要ありません。

民法改正 遺言書に自筆でない目録の添付が可能に(2018/08/03)

自筆証書遺言の自筆でない目録の利用

 

民法の改正で来年1月から自筆証書遺言の作成の方法が変わります。その改正後の自筆証書遺言の内容をご紹介します。

1.    自筆証書遺言書の自書押印

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないことになっています。(ここは従前と同じ)

2.    目録を添付すれば、目録は自書でなくても良い

自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書することを要しないことになりました。ただし、この場合には、その目録の全ページ(両面ある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならないという条件がつきます。

また、自筆証書遺言について加除そのほかの変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更の場所に印を押さないと効力が生じない点は目録についても同様となっています。

3.    財産目録

この目録ですが、第三者が作成したものやパソコンで作成したもの、不動産の登記簿謄本の写し、通帳の写し等を利用することが考えられます。

4.  目録添付による遺言書のスタイル

この新しいスタイルの遺言書として、次のような本文と目録を綴じた組み合わせによる遺言書が普及することが考えられます。

<本文>

2018y08m03d_180530237.jpg

<別紙1>

2018y08m03d_180549979.jpg

<別紙2>

2018y08m03d_180556393.jpg

<別紙3>

2018y08m03d_180612253.jpg

遺言Q&A 遺言書作成のポイント まとめ(2018/03/31)

遺言書作成のポイントは、次の4点に留意して作成します。

1 全部の財産について、もれなく記載する

  財産が一部の財産についてのみ、指定されている場合だと、残りの財産を

  巡っての分割協議でもめる可能性がある。作るなら全部指定した方がよけ

 いな話合いをせずに済む。

  書き方として、その他、所有する一切の財産は○○に相続させる」と入れ

  ておくと話合う必要がなくなる。

 

2 遺留分に考慮した遺言書を作成する 

〇財産の指定のない相続人に対して、遺留分程度か又はそれを下回っても財

 産を指定しておく。→それによって、遺留分の減殺請求でもめることを避

 ける

○ 「遺留分の請求を起こさないように」と付言しておくのも一つの手であ

 る。

 

3 万が一に備えて、次の受遺者を指定する 

 指定された受遺者が万一、遺言者より先に亡くなると、その財産については

 無効となり分割協議となる。従って、その可能性がある場合には次の受贈者を

 指定しておく。 

→例えば「もし、長男○○が亡くなっていた場合には、その子○○に相続させ

 る。」.とする。

 

4 付言(理由)を付け加える

○ 何故このように遺言したか説明しておくことで、遺言者の遺志を汲みや

 すくなる

○ 生前に相続人が遺言の内容と異なる話を聞いていても、理由が書かれて

 あれば納得しやすくなる。

 

□ 遺言書のサンプル

2018y03m31d_170644258.jpg

 

 

 

 

 

 

 

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その4(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その4

次のような遺言書があります。 次男Bに何も財産が指定されていないと?

2018y03m20d_160215863.jpg

この遺言書では、すべての財産が長男Aに相続されます。

このような場合、次の2つのケースが考えられます。

① 次男Bから遺留分の減殺請求が起こる。

② 長男が遺言書に従わず、次男Bと話し合って財産を分ける。

もし、次男Bから遺留分の減殺請求が起きれば、全体の財産の4分の1(通常は金銭で )を渡さなければなりません。

このケースであれば、預貯金が十分にあるので金銭で支払うことが可能ですが、もし、預貯金が不足していれば不動産を処分してということもあり得ます。また、遺留分の請求が起きて、互いに嫌な思い(又はもめてしまう)をするのであれば、最初から遺言で遺留分程度か、または、それに満たなくても何らかの財産を指定しておくのが良いでしょう。

1 長男Aに自宅、貸家の土地建物及び2の預貯金以外のすべての預貯金を含む金融資産を相続させる。

2 次男Bには、預貯金の中から〇〇〇〇万円を相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その3(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その3

次のような遺言書があ2018y03m21d_112843409.jpgります。 仮に長男Aが先に亡くなったらどうなる?

 

この遺言書では、長男Aに自宅、次男Bに貸家、三男Cに預貯金が相続されます。

ただし、長男Aが遺言者より先に亡くなっているとどうなるでしょうか?これには次の2つが考えられます。

・長男Aの子に相続される。

・長男Aの子と次男Bと三男Cの全員の協議による。

答えは法定相続人全員の分割協議となります。つまり、自宅の土地建物は遺言されていなかったとみなされるからです。

さて、その分割協議によるならば、つぎのようなケースが考えられます。

① 自宅について長男の子に相続することに次男Bや三男Cが同意する。

② 次男B、三男Cが同等の法定相続分の権利(全体4,500万円の3分の1)を主張し、不足分各々500万円を要求する。

③ 話合いがまとまらず、弁護士を立てる。

 

このように、もし、次男Bや三男Cが譲歩しなければ長男の子は大変な目に会う。遺言で指定する相手が遺言者より先に亡くなる可能性があるならば、その者が亡くなった場合も考慮して次の者を指定しておきましょう。

1 長男Aに自宅の土地建物を相続させる。もし、長男Aが亡くなっていれば、長男の子〇〇に相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その2(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その2

次の2018y03m20d_160146005.jpgような遺言書があります。 もし、貸家が売却されたら?

この遺言書では、長男Aに自宅と預貯金、次男Bに貸家が相続されます。

もし、生前にこの貸家の土地建物が売却されてしまうとどうなるでしょうか?

次男に書かれていた財産がなくなってしまいます。それどことろか、その売却代金が預貯金に残されていたら、長男Aに全部相続されてしまうことになります。

こうなると、次のような3つのケースが考えられます。

① 次男Bが長男Aに対して、遺留分の減殺請求(総財産の4分の1)を行う。

② 長男Aが次男Bのことを考慮し、遺言にかまわず分割協議に代えて、貸家の売却代金相当額の預貯金を次男Bに与える。

③ 長男Aと次男Bが遺留分の請求額を巡って紛争が生じる。

 

貸家を売却する可能性があったならば、遺言書作成の段階で処分代金が次男Bに渡るように手当しておきましょう。

例えば、次のように貸家を処分した場合の入金先をB銀行の〇〇支店と特定し、次男Bに相続させる遺言にしておく方法もあります。

2 次男Bに貸家の土地建物及びB銀行の〇〇支店の預金すべて

3 長男AにB銀行以外の預貯金すべてを相続させる

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その1(2018/03/20)

遺言書作成のポイント その1

次のような遺言書があります。 遺言書に預貯金が書かれていない? 

 2018y03m20d_160111459.jpg

この遺言書では、自宅は長男Aに相続され、貸家は次男に相続されます。ただし、不動産は遺言されても、預貯金が指定されていません。このように遺言書に記載されていない財産については、相続人の分割協議によります。

 

では、預貯金はどのような分割が考えられるでしょうか?基本的に相続人が合意すればどのような分割も可能ですが。概ね次のような分割が考えられます。

① 長男と次男が預貯金を2分の1づつ分割する。

② 次男は法定相続分を主張する。この場合は全体4,000万円の財産の2分の1ですから、預貯金1,000万円全部が次男のものとなります。

 

せっかく遺言しても、このように預貯金が書かれていないことによって、兄弟の話合いが必要となり、まとまれば良いのですが、場合によっては兄弟がもめてしまうという可能性があります。

遺言書を作成するのであれば、全部の財産について指定をし、余計な話合いがされないようにしておきましょう。

例えば、次のように遺言を追加しておきましょう。

3 預貯金その他の金融資産については長男A、次男Bに各2分の1を相続させる。

4 上記1~3に掲げる財産以外の財産については長男Aに相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

 

 

 

相続Q&A 贈与はどの程度すればよいのか?(2012/12/16)

Q 相続税の節税の為に贈与したいと思うのですが、どの程度贈与すればよいでしょうか?ちなみに私の財産は約1億5千万円で相続人は子供3人です。

 

A 相続税で適用される税率(もっとも高いところの税率)より低い贈与税の税率の範囲で贈与を検討します。 

1 相続税で適用される税率より低い税率の範囲で贈与する

(1)  相続税の計算

相続税の計算は次のように行います。

イ まず、相続財産(一定の贈与財産を含みます)の合計額から基礎控除額を差し引きます(基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」です)。

ロ その控除後の金額を法定相続人が法定相続分で取得したとみなして各人ごとに按分

します。

ハ 次に、各人ごとに按分した金額に対し、各々相続税の税率を乗じて相続税額を算出します。

ニ その各人ごとの相続税額を合計します。これが相続税の総額です。

ホ その相続税の総額を実際に相続又は遺贈により財産を取得した各人の財産額に応じて按分します。これが各人の納税額です。

以上の計算過程の中で、ハの相続税を算出する税率の一番高い値(これを「上限税率」といいます)を確認します。

(2) 贈与の検討

 贈与する場合には、相続税の税率で使われた上限税率より低い税率で検討します。相続税の上限税率が30%であれば、贈与は20%以下の税率の範囲で、相続税の上限税率が20%であれば、贈与は10%の税率の範囲で検討します。 

2 例:財産が15,000万円で子が3人いる場合

(1)  相続税の計算

 この場合の相続税の計算は次のようになります。

    財産額15,000万円-基礎控除(5,000万円+1,000万円×3人)=7,000万円

    法定相続人の法定相続分に応ずる金額 7,000万円÷3人=2,333.3万円

    ②に対する税額 2,333.3万円×1550万円=約300万円(299.995万円)

    相続税の総額 ③×3人=約900万円(899.985万円)となります。

 相続税の上限税率は③で適用されている率は、15です。

(2)  贈与の検討

 相続税で最も高いところで使われる税率は15%ですので、贈与は10%以下で検討します。贈与税の税率で10%は110万円の控除後で200万円までですから、贈与は310万円以下で決めます。

 310万円まで範囲内で贈与する金額と税額を以下に掲げます。 2012y12m16d_164800375.jpg 

 上記の場合、贈与税のかからない110万円の贈与では16.5万円の節税ですが、310万円の贈与であれば贈与税は20万円かかるものの26.5万円の節税となります。このように贈与を310万円以下の範囲でいくら贈与するか、発生する贈与税とその節税効果を比較しながら、贈与額を決定します。  2012y12m16d_164224377.jpg

相続Q&A 田舎の土地を放棄したいが?(2012/11/11)

 Q 田舎にある亡くなった祖父の自宅の名義がそのままで、相続する者が決まっていません。この家の相続を放棄したいのですが? 

A 相続人全員で協議して分割しないと放棄したことになりません。その手続きを行う必要があります。 

1 現況

 田舎に祖父の時代の自宅が残っており、土地建物が15年前に亡くなった祖父の名義のままとのことです。

 祖父の相続人である叔父や叔母の大半はすでに亡くなっており、その子の孫を合わせて十数人で分割協議を行わなければなりません。固定資産税の負担もあることから、ご自身の相続権を放棄しておきたいとの意向です。  2012y11m11d_122050624.jpg 

2 遺産分割協議の必要

相続が起こってから何年も経過していますので、相続の放棄はできず、相続を承認したことになり、自宅は相続人全員の共有状態です。ご自身だけが放棄の意志を示したとしても無効で、全員で協議のうえで相続する者を確定させなければなりません。

現時点で、相続人を決めずに協議を先延ばしにしてしまうと、世代が交代してしまい、知らない者同士で、所在をつかむことも困難になり、分割協議もより困難になるでしょう。   2012y11m11d_122745430.jpg

 3 遺産分割をまとめる方法

 相続人を調べて、連絡をとり、この不動産を相続するかどうか、問い合わせます。

不動産を相続してもよいか、あるいは、相続する意思はないか 返事をもらいます。どなたか相続される者がいれば、早速「遺産分割協議書」を作成して各相続人の署名押印をとり、相続による名義変更手続きを行います。

 相続する者がいない場合、売却可能であれば地元の不動産屋に依頼し、あるいは、市町村で寄付を受けないか当たってみます。出来れば、地元にいらっしゃる相続人の方で相続を引き受けていただくのが一番よいのですが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

相続Q&A 相続の調停に相手方が参加しない場合はどうなるのか?(2012/11/03)

Q 相続での話合いが進みません。裁判所での調停を申立する予定ですが、相手方が出頭しなければどうなるでしょうか?

 

 

A 相手方が調停に出頭しない状態が繰り返されると調停が不成立となり、審判に移行します。

 

1 今回、亡くなられたお母様の相続に関し、子供数人が相続人です。遺産分割協議にあたって、2つのグループに分かれ、相手方が分割についての話合いに乗らず、調停が進むかどうか心配だそうです。

 

まず、相手方の住所地の家庭裁判所へ調停の申立書を提出します。相手方のグループのいずれかの住所地の家庭裁判所へ申し立てます。

ただし、相続財産に不動産がなく、預貯金だけのような場合、預貯金が法定相続分で分けることのできる財産(これを「可分債権」といいます)のため、「法定相続分で分けなさい」ということで、調停は開かれずに取下げになってしまいます。

 

家庭裁判所では、申立書に不備がなければ、1か月以内に申立人及び相手方の全員に期日を知らせます。

期日に出頭しなければ、審理が進まないため、再度出頭を求めますが、2~3回出頭しなければ、調停は不成立となり、その場合は自動的に審判に移行します。

2012y11m03d_111714087.jpg 審判となれば、基本的に法定相続での分割となりますが、相手方が出頭しないことによる影響が生じるかどうかは裁判官の判断によります。

 

 調停において、弁護士を立てる必要かどうかですが、弁護士に依頼しなくても調停を進めることは可能です。ただし、専門家の知識や経験に基づくアドバイスにより、適切に調停を進めることになるでしょう。

 

 

相続Q&A 配偶者がいる場合になぜ相続税は安くなるのか?(2012/10/27)

Q 相続人が配偶者と子の場合に、配偶者に半分財産を相続させる方が得になると聞きますが、それはなぜでしょうか?

 

 

A 配偶者に財産を相続させることで、相続税の基礎控除を2回利用し、累進税率を緩和させることができるため、有利とされています。 

1 なぜ配偶者に分けると有利か

相続税では配偶者がいる場合、一度に子に相続させるより、配偶者に財産の半分を相続させる方が、ご本人と配偶者に係る相続税の合計額は少なくなります。 

これは、次の2つの理由からです(ご本人の相続を1次相続、配偶者の相続を2次相続とします)。

    相続税の基礎控除を本人と配偶者で2回使うことができる

 基礎控除は現在、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」ですが、配偶者が相続した財産について、改めて相続税が課せられる際に、もう一度この基礎控除を使うことができ、控除額の分だけ、税額が少なくなります。

    2回に分けることで、累進税率が緩和される

相続税は累進税率(課税所得が多くなるにつれて段階的に高くなる税率)のため、1次相続で配偶者が財産を半分相続した場合、半分になった分だけ2次相続の累進税率が緩和されますので税率が低くなります。

 以上の点から、配偶者に半分相続させた方が1次、2次のトータルの相続税は少なくなります(この前提には、配偶者が相続した財産について、法定相続分(相続人が配偶者と子の場合は配偶者は2分の1)又は16千万円までの財産額については無税という配偶者税額軽減制度があることによります)。

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2 例外もある

(1)  2分の1を超えて、1億6千万円まで配偶者が相続した場合

 例えば、財産が16千万円あり、その財産すべてを配偶者に相続させた場合、配偶者の相続分が2分の1を超えていても、財産額が16千万円までですので、配偶者には相続税は掛かりません。

ただし、配偶者が全部の財産16千万円を相続して、その後、配偶者に相続が起こった場合には基礎控除が1人分減ったうえ、累進税率がまるまる適用されますので、かえって2次相続での税額が高くなります。

(2)  配偶者に財産がある場合

 配偶者自身がそれなりに財産をお持ちの場合、1次相続で配偶者に財産を半分相続させますと、もともと所有する財産に上乗せになり、かえって2次相続の税額が累進税率の影響で高くなります。

 配偶者に財産がある場合には、配偶者に相続させないで子に相続させる方が1次、2次相続の税額合計では有利になります。

 

3 相続税より円満な相続が大切

 以上のように、相続税では分割の仕方によって、税額の有利不利があります。

 ただし、相続税よりも重要なことは、被相続人や相続人の意向が一致して円満に相続されることです。要は相続税だけでなしに、円満な相続を基本にすることが一番大切かと思われます。

 

相続Q&A 長男が亡くなり娘に財産をやりたのだが?(2012/10/21)

 Q 私の息子が昨年亡くなりました、息子の財産については、その妹である私の娘にやりたいのですが、可能でしょうか?息子は独身でした。

 

A 相続人は父母となりますので、娘さんに財産を与えますと相続人である父母からの娘さんへの贈与とります。

 

1 親から娘への贈与

 息子さんが独身で子がいなければ、相続人は父母(直系尊属)となりますので、ご夫婦で相続していただくことになります。娘さんを交えて分割協議することはできず、任意に相続を放棄しても法的には無効です。また、財産を娘さんの所有にされれば、相続人であるご両親から娘さんへの贈与となり、娘さんに贈与税がかかります。

 ただし、ご夫婦が相続の日から3カ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述をすれば、相続人が次順位の相続人である兄弟姉妹に移りますので、娘さんが相続することができます。 この3か月を経過してしまいますと相続を承認したとみなされ、放棄することはできなくなります。

  2012y10m21d_152323794.jpg      

2 贈与税

 贈与は年間110万円を超えますと、超えた金額に対し最低10%から課税され、1,000万円を超えた部分については50%の税率となります。その点で多額の贈与税となることが予想されますので、ここは娘さんの所有にせずにご両親で相続されるべきです。

 もし、どうしても娘さんの財産にしたいのであれば、年々に分けて少しずつ贈与していかれる方がよいでしょう。その方が随分贈与税も少なくなります。

2012y10m21d_151748316.jpg

 

 

 

相続Q&A 相続登記の手続きはいつまでにすべきか?(2012/10/14)

Q 5年前に亡くなった父が所有していた自宅の登記名義がそのままです。放っておくと支障はあるでしょうか?

A 相続登記の手続き自体は遅れていても、罰則はありません。ただし、分割についての話合いはすみやかに行って「遺産分割協議書」を作成しましょう。

 

 不動産の登記はその不動産の所在や面積等の状況を示すとともに、誰が所有しているか、担保に提供されているか等の権利関係が把握でき、登記によって不動産の取引の安全を図ることできます。ただし、公信力はないため、所有者が亡くなったことによる名義変更登記がされていなくてもそれ自体に罰則はありません。

 

 相続登記がされていなくても、分割協議は早々に済ませます。現在の相続人で分割協議を行い、誰が相続するかを決めます。仮に、相続人の中で亡くなる方がでてくれば、その方の相続人が新たに分割協議に加わり、異なる意見を言い出し、まとまらなくなる可能性があるためです。

そうならないように現在の相続人で話をまとめ、「遺産分割協議書」を作成し、印鑑証明書を添付しておきます。このあとは法務局で相続登記を行います。 2012y10m14d_120809758.jpg

 相続登記には、登録免許税がかかります。その不動産の固定資産税評価額の0.2%の税額です。登記手続きをする年の固定資産税評価額をもとにしますので、登記する年によって税額が変わります。

 

 父の相続人はご自身(長女)と母と妹の3人で、ご自身が母と同居し、姉が相続することに妹はいつでも賛成するとのこと。仮にお母さんが亡くなれば、父の相続については姉妹での協議となりますので、母を経由して相続することも、直接父から相続することも自由に決めることができます。

 

 

相続Q&A 相続の申告はどうするのか?(2012/10/07)

 Q 父が亡くなりました。相続税の申告が必要なのかどうか、どうやって申告すればよいのかがわかりません。また、仮に申告しなかったらどうなるのでしょうか?

 

A 被相続人の財産の全体額を見積もって、相続税の基礎控除(現在、5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を超えるかどうかをご判断ください。その可能性があれば、申告が必要かどうかを税理士にご相談ください。

 

1 お尋ね書の送付

 税務署は、亡くなられた方の財産について、過去の確定申告書その他の資料から相続税がかかりそうだと思われた場合には、その相続人に対して、「相続税の申告の手引やお尋ね」を送付してきます。

 相続税の申告が必要な方に必ず申告書とお尋ねが送られるわけではありませんので、来なくても、財産が基礎控除を超えるのであれば納税者自らが申告しなければなりません。  2012y10m07d_135843672.jpg 

2 税務署への申告

 

 相続や遺贈によって財産を得た方は被相続人の財産(正確には相続時の財産から債務葬式費用を差し引いた金額に3年以内贈与や相続時精算課税の贈与を加算した額)が基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を超えれば、相続開始の日から10か月以内に申告しなければなりません。ただし、財産の額が基礎控除を超えなければ申告の必要はありません。

 

3 申告の方法

相続税は被相続人の住所地の税務署へ申告します。被相続人の財産全部を捉えて計算しますので、基本的に相続や遺贈によって財産を得た者が連名で一つの申告書に記名押印して提出します。

相続税の申告は一般の方が財産を評価して税額計算できるものではありません。専門家である税理士に依頼して申告します。

 

4 申告がないとどうなる?

 申告納税が必要であるにもかかわらず、申告しなかった場合ですが、税務署は被相続人の過去の確定申告の内容やお尋ねの回答を参考に、被相続人の預貯金の流れや、不動産の所有と利用状況等を調べたりして、疑問があれば、呼出しをしたり、調査が行われます。

 もし、相続税が課税されれば、加算税や延滞税という罰金がかかってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

相続Q&A 配偶者がいる場合の遺言作成の留意点(2012/04/01)

Q 配偶者がいる場合の遺言作成の留意点

 

A 配偶者がいる場合に、ご自身の財産を一旦配偶者に相続させた後、次の者(子あるいは兄弟姉妹)に継がせようと考えている場合の遺言の作成のポイントとして次の3つがあります。

・ご夫婦がおのおの同時に遺言書を作成する

・相手方から相続する可能性のある財産も含めて遺言書を作成する

・相手方が先に亡くなった場合も想定して作成する 

(1) ご夫婦がおのおの同時に遺言書を作成する

 配偶者のいる方が遺言書を作成して配偶者に財産を残す場合、その配偶者に相続された後に配偶者が別途、遺言書を作成していれば、遺言どおりに相続されることでしょう。ただし、配偶者が遺言書を作成していなければ、ご本人が考えていた財産の引継ぎとは異なる可能性があります。

 ご本人亡きあと、配偶者が財産を相続してから遺言書を作成するとなると、年齢も重ねるため、病気や認知症等を患って遺言が作成できないかもしれません。

 そのため、遺言書を作成するのであれば、合わせて同時に配偶者も遺言書を作成しておきます。

2012y04m01d_140353142.jpg(2) 相手方から相続する可能性のある財産も含めて遺言書を作成する 

 配偶者が遺言される際、配偶者自身の財産についてだけを遺言しますと、将来、相手方(ご本人)から相続を受けた場合に、遺言書を追加、変更しなければなりません。

 そのため、配偶者が遺言される場合には、配偶者自身の財産に相手方(ご本人)から相続される可能性の財産も含めて遺言書を作成します。 

 これは、ご本人も同様で配偶者から相続される可能性のある財産があれば、それらの財産も含めて遺言しておきます。 2012y04m01d_140410374.jpg

 (3) 相手方が先に亡くなった場合も想定して作成する

 ご本人、配偶者の両方とも、相手方に遺言した財産について、相手方が先に亡くなる場合を想定して、その際の次の受遺者を指定しておきます。配偶者だけの指定であれば、配偶者が亡くなれば、その配偶者に遺言した財産が無効になるためです。

 これもお互いに相手方が先に亡くなった場合を想定して、その際、誰に相続させるかを記載しておきます。2012y04m01d_140421856.jpg

 以上、ご夫婦でいる場合に、相手方から受ける財産があるときと相手方が先に亡くなったときを考慮して遺言することがポイントです。この両方の点を考慮するのは複雑ですが、ここまですれば万全な備えができた遺言書となります。

相続Q&A 公正証書遺言作成の手続き(2012/03/17)

Q 公正証書遺言を作成する場合、公証人役場でどのような手続きを行いますか?また、費用はどのぐらい掛かるのでしょうか? 

A 公証人役場で次のような手続きを踏まなければなりません。

1 手続きの流れ

(1)  事前の打合せ

 公証人役場で遺言書を作成するには、前もって公証人に対して、財産を誰にどのように与えるかを伝えなければなりません。それを確認して公証人は遺言書を準備します。

 その内容を伝えるために、あらかじめ下書きしたものや一覧表があれば便利です。また、その内容を具体的に遺言書に表現するために、受贈者の住所や氏名、財産の名称や所在その他がわかる次のような書類を用意します。 2012y03m17d_143312176.jpg

 

 

 

 

 

  作成の当日は、遺言者の実印と本人確認のできる写真付きの身分証明書(運転免許証等)を持参します。

(1)  遺言書の作成

 公証人との事前打ち合わせ後、改めて作成日に公証人役場へ出向きます。当日は公証人が遺言書の内容を読上げ、遺言者の意志に間違いがないことを確認したうえで、遺言者本人と証人2人が署名押印します。遺言書は原本が公証人役場で保管され、正本、謄本の2通が遺言者に手渡されます。

2 証人

 公正証書遺言を作成する場合には、証人2人の立会いが必要です。遺言者の推定相続人、受遺者及びその配偶者や直系血族は利害関係があるため証人になることができません。証人となる適当な人物がいなければ、公証人役場で紹介を受けます。その場合には手数料が1人あたり1万円近く必要です。

3 公証人手数料

 公正証書遺言の作成に係る手数料は受遺者毎に財産額に応じて次の表のように手数料がかかります。ただし、遺言書の財産の合計額が1億円に満たなければ、11,000円が遺言加算として追加されます。

 また、遺言者が病気その他で公証人役場へ出向くことができず、公証人に来てもらう場合には、基本手数料が50%アップし、日当が1万円付いて、交通費が実費でかかります。  2012y03m17d_143337902.jpg

4 遺言書の保管

 遺言者の氏名や作成日、保管場所の公証人役場が日本公証人連合会で記録されていますので、遺言書が紛失しても最寄りの公証人役場で検索すれば、どこの公証人役場で作成したかがわかります。作成された公証人役場で遺言書の謄本を発行してもらいます。

 

 

 

 

相続Q&A 田舎の不動産の贈与(2012/01/21)

Q 田舎にある空き家にしている土地家屋あり、叔母と共有で所有しています。この不動産を叔母が無償で譲りたいといっています。この不動産をタダで譲り受けると贈与税がかかるのでしょうか?

 

A 田舎の不動産であれば、それほど高くないと思われがちですが、それでも贈与には多額の贈与税が課せられてしまいます。

土地の評価は路線価方式と倍率方式がありますが、田舎ということで、倍率方式で計算します。倍率方式は、土地の種類や地域ごとに倍率(国税庁のHPで検索できます)というものが定められており、その倍率を固定資産税評価額に乗じて計算します。また、建物は固定資産税評価額そのものです(貸家であれば評価は下がりますが、ここでは割愛させていただきます)。

 2012y01m21d_162831060.jpg

 

(固定資産税評価額は固定資産税の納付書兼領収書をご欄ください)

この不動産の評価額が110万円を超えれば、贈与税が課せられます。

このような場合に、年数を掛けて構わなければ複数年に分けて贈与します。評価額を110万円で割って端数は切り上げます。例えば、評価額が700万円であれば、

700万円÷110万円=6.3年→7

7年に分けて贈与します。1年当たり110万円以下の贈与ですので、贈与税は課せられません。

贈与契約書を一度に作成せずに、毎年、贈与をする都度、契約書を作成し、贈与税の申告書を提出して贈与の事実を残しておきます。毎年、改めて贈与を実行することで単年度ごとの贈与が成立します。

このように、期間を掛けることができるのであれば、贈与税の課せられない範囲で贈与されることです。また、期間をあまり掛けることができないようであれば、贈与を受ける側の人数を増やして贈与期間を短くします。

ただし、実際に贈与を受ける場合には、専門家(税理士)にご確認ください。

 

 

 

 

相続Q&A 相続財産の土地の時価は?(2012/01/14)

 Q 相続財産は自宅と金融資産で、兄と等分に分けたいと考えています。その際、自宅の土地の評価はどのようにして出せばよいでしょうか? 

A 不動産の評価は絶対でなく、その評価は様々に異なってきます。そこで遺産分割の際の参考として、どのように評価すればよいか説明します。

(1)  土地

 土地は一物四価と呼ばれるように、評価する目的によって、次のように4種類の評価額があります。

・時価・・・土地取引の実勢相場の価額

・公示価格・・・国土庁が3月末に公表するその年11日現在の土地取引の目安となる価額

・路線価・・・国土庁が毎年7月に発表するその年の相続税で用いられる評価額

・固定資産税評価額・・・市町村で3年に1度に変更される固定資産税等の基となる価額

 これらの比率は公示価格を100としますと、路線価が80、固定資産税評価額が70という割合です。

 2012y01m14d_171255334.jpg

  さて、実際に分割の際に使う評価について検討します。

    時価

 一番適切な評価は時価です。といっても、時価を調べることは困難です。適切な方法としては、不動産の仲介業者に査定を依頼することです。査定を無料で行っている仲介業者がありますので、売却する予定がなくても頼んでみることです。ちなみに物件のチラシは売り希望価格ですので実勢価格より高くなりがちです。

    公示価格

 近隣の同一用途の地区のポイントの公示価格を参考にします。また、そのポイントの場所の路線価を調べ、評価する場所の路線価と比較して時価を類推する方法もあります。

    路線価

 土地の面する㎡当たりの路線価の面積を乗じれば、更地価額が算出できます。その価額を80%で割って時価とみなす方法があります。

    固定資産税評価額

 この中では、最も参考にならないものです。上記の①から③がわからない場合に、固定資産税評価額を70%で割ることで、時価と仮定します。

 

 以上の方法のうち、①の時価を見積もる方法がもっともよい方法ですが、②又は③で代替するのも、それに準ずる方法になります。

 

 

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