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民法改正 配偶者の居住権(2018/08/19)

配偶者居住権及び配偶者短期居住権の創設

 被相続人の配偶者の相続後の自宅に住む権利として、新たに居住権が2年以内に設けられることになりました。その内容は次のようなものです。

1.  配偶者居住権

(1) 配偶者居住権とは

被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得したときや遺言で指定されていたときは、その居住していた建物(以下、「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下、「配偶者居住権」という。)を取得します。

この配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間です。ただし、遺産の分割の協議もしくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めによります。

また、この配偶者居住権について遺言で特別受益の持戻しの対象としないこと(遺産分割上、相続分に関係させないこと)ができます。

ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合においては、この配偶者居住権は適用されないことになっています。

(2) 配偶者居住権の登記

居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います。

2.   配偶者短期居住権

(1) 配偶者短期居住権とは

配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合においては、遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間、その居住していた建物(以下、「居住建物」といいます。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下、「配偶者短期居住権」という。)を有します。

ただし、配偶者が相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したときや欠格又は廃除によってその相続権を失ったときは、その権利はなくなります。

 一方、相続又は遺贈により居住建物を取得した者は、遺産分割協議によらない場合に、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができます。この場合の配偶者の「配偶者短期居住権」はこの申入れの日から6か月を経過する日までとなります。

 この配偶者短期居住権がある場合においては、相続又は遺贈により居住建物を取得した者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはなりません。

民法改正 新しい法務局での遺言書の保管(2018/08/13)

新しい法務局での遺言書の保管の制度

 

 民法改正に伴い新たに2年以内に法務局での自筆証書遺言の保管ができるようになります。この法務局での保管の制度は以下のような内容です。

1.  遺言書の保管の申請

 遺言者は、遺言者の住所地もしくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局の遺言書保管所の遺言書保管官に対し、遺言書の保管の申請をすることができます。

この場合の遺言書は一定の様式に従って作成した無封のもので、その申請書に遺言書の作成の年月日、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍、受遺者や遺言執行者の氏名又は名称及び住所等を記載し、それらを証明する書類を添付して、自ら出頭して申請を行います。

遺言書保管官は、遺言書の保管の申請があった場合において、その申請人が本人であるかどうかの確認をするため、一定の書類の提示又は提出を求めます。

 

2.  遺言書の保管と閲覧、撤回

遺言書は、遺言書保管所において保管されます。また、遺言者は、その申請に係る遺言書が保管されている遺言書保管所(以下、「特定遺言書保管所」といいます)の遺言書保管官に対し、いつでもその遺言書の閲覧又は申請の撤回を請求することができます。

 

3.  遺言書に係る情報の管理

 遺言書に係る情報の管理は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む)をもって調製する遺言書保管ファイルに、次に掲げる事項を記録することになります。

   遺言書の画像情報

   遺言書の作成の年月日、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍、遺言書に記載された受遺者、遺言執行者他

   遺言書の保管を開始した年月日

   遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号

 

4.  遺言書情報証明書の交付等

遺言者の相続人、受遺者又は遺言執行者等は(以下、「関係相続人等」という)は、遺言者が死亡している場合において、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(以下、「遺言者情報証明書」という。)の交付を請求することができます。

この「遺言書情報証明書」の請求は、自己が関係相続人等に該当する遺言書(以下、「関

係遺言書」という。)を現に保管する遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもできます。一方、遺言書保管官は、請求により遺言書情報証明書を交付し、又は関係遺言書の閲覧をさせたときは、速やかに、その関係遺言書を保管している旨を遺言書の相続人並びに受遺者及び遺言執行者に通知します。

 

5.  遺言書保管事実証明書の交付

また、誰でも遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無や記録

されている遺言書の作成の年月日及び遺言書保管所の名称及び保管番号を証明した書面(以下、「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができます。

 

6.  遺言書の検認の適用除外

家庭裁判所における遺言書の検認手続きは、この遺言書保管所に保管されている遺言書

については必要ありません。

民法改正 遺言書に自筆でない目録の添付が可能に(2018/08/03)

自筆証書遺言の自筆でない目録の利用

 

民法の改正で来年1月から自筆証書遺言の作成の方法が変わります。その改正後の自筆証書遺言の内容をご紹介します。

1.    自筆証書遺言書の自書押印

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないことになっています。(ここは従前と同じ)

2.    目録を添付すれば、目録は自書でなくても良い

自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書することを要しないことになりました。ただし、この場合には、その目録の全ページ(両面ある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならないという条件がつきます。

また、自筆証書遺言について加除そのほかの変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更の場所に印を押さないと効力が生じない点は目録についても同様となっています。

3.    財産目録

この目録ですが、第三者が作成したものやパソコンで作成したもの、不動産の登記簿謄本の写し、通帳の写し等を利用することが考えられます。

4.  目録添付による遺言書のスタイル

この新しいスタイルの遺言書として、次のような本文と目録を綴じた組み合わせによる遺言書が普及することが考えられます。

<本文>

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<別紙1>

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<別紙2>

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<別紙3>

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遺言Q&A 遺言書作成のポイント まとめ(2018/03/31)

遺言書作成のポイントは、次の4点に留意して作成します。

1 全部の財産について、もれなく記載する

  財産が一部の財産についてのみ、指定されている場合だと、残りの財産を

  巡っての分割協議でもめる可能性がある。作るなら全部指定した方がよけ

 いな話合いをせずに済む。

  書き方として、その他、所有する一切の財産は○○に相続させる」と入れ

  ておくと話合う必要がなくなる。

 

2 遺留分に考慮した遺言書を作成する 

〇財産の指定のない相続人に対して、遺留分程度か又はそれを下回っても財

 産を指定しておく。→それによって、遺留分の減殺請求でもめることを避

 ける

○ 「遺留分の請求を起こさないように」と付言しておくのも一つの手であ

 る。

 

3 万が一に備えて、次の受遺者を指定する 

 指定された受遺者が万一、遺言者より先に亡くなると、その財産については

 無効となり分割協議となる。従って、その可能性がある場合には次の受贈者を

 指定しておく。 

→例えば「もし、長男○○が亡くなっていた場合には、その子○○に相続させ

 る。」.とする。

 

4 付言(理由)を付け加える

○ 何故このように遺言したか説明しておくことで、遺言者の遺志を汲みや

 すくなる

○ 生前に相続人が遺言の内容と異なる話を聞いていても、理由が書かれて

 あれば納得しやすくなる。

 

□ 遺言書のサンプル

2018y03m31d_170644258.jpg

 

 

 

 

 

 

 

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その4(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その4

次のような遺言書があります。 次男Bに何も財産が指定されていないと?

2018y03m20d_160215863.jpg

この遺言書では、すべての財産が長男Aに相続されます。

このような場合、次の2つのケースが考えられます。

① 次男Bから遺留分の減殺請求が起こる。

② 長男が遺言書に従わず、次男Bと話し合って財産を分ける。

もし、次男Bから遺留分の減殺請求が起きれば、全体の財産の4分の1(通常は金銭で )を渡さなければなりません。

このケースであれば、預貯金が十分にあるので金銭で支払うことが可能ですが、もし、預貯金が不足していれば不動産を処分してということもあり得ます。また、遺留分の請求が起きて、互いに嫌な思い(又はもめてしまう)をするのであれば、最初から遺言で遺留分程度か、または、それに満たなくても何らかの財産を指定しておくのが良いでしょう。

1 長男Aに自宅、貸家の土地建物及び2の預貯金以外のすべての預貯金を含む金融資産を相続させる。

2 次男Bには、預貯金の中から〇〇〇〇万円を相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その3(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その3

次のような遺言書があ2018y03m21d_112843409.jpgります。 仮に長男Aが先に亡くなったらどうなる?

 

この遺言書では、長男Aに自宅、次男Bに貸家、三男Cに預貯金が相続されます。

ただし、長男Aが遺言者より先に亡くなっているとどうなるでしょうか?これには次の2つが考えられます。

・長男Aの子に相続される。

・長男Aの子と次男Bと三男Cの全員の協議による。

答えは法定相続人全員の分割協議となります。つまり、自宅の土地建物は遺言されていなかったとみなされるからです。

さて、その分割協議によるならば、つぎのようなケースが考えられます。

① 自宅について長男の子に相続することに次男Bや三男Cが同意する。

② 次男B、三男Cが同等の法定相続分の権利(全体4,500万円の3分の1)を主張し、不足分各々500万円を要求する。

③ 話合いがまとまらず、弁護士を立てる。

 

このように、もし、次男Bや三男Cが譲歩しなければ長男の子は大変な目に会う。遺言で指定する相手が遺言者より先に亡くなる可能性があるならば、その者が亡くなった場合も考慮して次の者を指定しておきましょう。

1 長男Aに自宅の土地建物を相続させる。もし、長男Aが亡くなっていれば、長男の子〇〇に相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その2(2018/03/21)

遺言書作成のポイント その2

次の2018y03m20d_160146005.jpgような遺言書があります。 もし、貸家が売却されたら?

この遺言書では、長男Aに自宅と預貯金、次男Bに貸家が相続されます。

もし、生前にこの貸家の土地建物が売却されてしまうとどうなるでしょうか?

次男に書かれていた財産がなくなってしまいます。それどことろか、その売却代金が預貯金に残されていたら、長男Aに全部相続されてしまうことになります。

こうなると、次のような3つのケースが考えられます。

① 次男Bが長男Aに対して、遺留分の減殺請求(総財産の4分の1)を行う。

② 長男Aが次男Bのことを考慮し、遺言にかまわず分割協議に代えて、貸家の売却代金相当額の預貯金を次男Bに与える。

③ 長男Aと次男Bが遺留分の請求額を巡って紛争が生じる。

 

貸家を売却する可能性があったならば、遺言書作成の段階で処分代金が次男Bに渡るように手当しておきましょう。

例えば、次のように貸家を処分した場合の入金先をB銀行の〇〇支店と特定し、次男Bに相続させる遺言にしておく方法もあります。

2 次男Bに貸家の土地建物及びB銀行の〇〇支店の預金すべて

3 長男AにB銀行以外の預貯金すべてを相続させる

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

遺言Q&A 遺言書作成のポイント その1(2018/03/20)

遺言書作成のポイント その1

次のような遺言書があります。 遺言書に預貯金が書かれていない? 

 2018y03m20d_160111459.jpg

この遺言書では、自宅は長男Aに相続され、貸家は次男に相続されます。ただし、不動産は遺言されても、預貯金が指定されていません。このように遺言書に記載されていない財産については、相続人の分割協議によります。

 

では、預貯金はどのような分割が考えられるでしょうか?基本的に相続人が合意すればどのような分割も可能ですが。概ね次のような分割が考えられます。

① 長男と次男が預貯金を2分の1づつ分割する。

② 次男は法定相続分を主張する。この場合は全体4,000万円の財産の2分の1ですから、預貯金1,000万円全部が次男のものとなります。

 

せっかく遺言しても、このように預貯金が書かれていないことによって、兄弟の話合いが必要となり、まとまれば良いのですが、場合によっては兄弟がもめてしまうという可能性があります。

遺言書を作成するのであれば、全部の財産について指定をし、余計な話合いがされないようにしておきましょう。

例えば、次のように遺言を追加しておきましょう。

3 預貯金その他の金融資産については長男A、次男Bに各2分の1を相続させる。

4 上記1~3に掲げる財産以外の財産については長男Aに相続させる。

注:遺言書の文言は平易な書き方にしています。

 

 

 

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