養子縁組についての税制上の効果と改正の見通しはどうでしょうか?
養子縁組は、子の扶養あるいは親の老後の扶養という点から認められた法律的な親子関係です。民法ではこの養子の数に制限を設けていません。
一方、相続税は被相続人の財産に対し、相続人の法定相続分に応じて、相続税の総額が計算されますので、養子縁組によって相続人が増えれば、まず、相続税の基礎控除が1,000万円増加し、また、法定相続分で取得したと仮定した取得財産に対する累進税率による税額計算も緩和されますので、相続税の総額が軽減されました。
このような養子縁組を活用した相続税の節税が増加したこともあって、昭和63年に相続税の総額計算における基礎控除や税額計算において養子の数が規制され、実子がいる場合には、養子の数を1人、実子がいない場合には、養子の数を2人までしか加算しないとする改正が行われました(ただし、実子がいる場合でも1人養子がいれば相続税の総額は軽減され、その効果は確保されました)。
また、養子となった相続人が実際に財産を相続すれば、相続税の人的税額控除である障害者控除や未成年者控除を使うことは従来通り認められました。
今回、相続税の改正が検討されており、相続税の計算体系が被相続人の財産をもとに計算する方法から相続人が取得した財産をもとに計算する方向で改正される予定ですので、養子縁組に対する規制が関係しなくなります。養子縁組をしても財産を相続しなければ関係がなく、財産を相続すれば相続人全体の相続税の総額はやはり軽減されます。
したがって、養子縁組をした子が財産を相続する限り、相続税の全体額が軽減されるという効果は残ることになります。
(ただし、未分割状態での税額計算については、現行通りの養子規制による税額計算が行われるといわれています。)
以上

















