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失敗しない遺言書 第3回 「わかりづらい特別受益と寄与分」(2012/01/15)

遺産分割に関する話合いの際、その対象となる財産は相続時の財産ですが、法定相続分の計算においては、相続時の財産に限らず、「特別受益」や「寄与分」を考慮しなければならないとなっています。

(1) 特別受益

 「特別受益」とは、『相続人のうち、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その贈与の価額を加えたものを相続財産とみなす』こととなっており、相続時の財産にその特別受益の贈与額(遺贈を含みます)を加えて法定相続分を計算することになっています。

 この婚姻のための贈与には婚姻の際の式や披露宴、あるいは結納といった費用は含まれませんが、持参金や支度金は特別受益の贈与に含まれます。

生計の資本の贈与として、相続人のためにする事業資金や住宅資金の贈与なら、把握もしやすいでしょうが、例えば、子供の入学資金でも普通の大学なら特別受益とならず、特別にお金の掛かる大学への入学金であれば特別受益に含まれるとされており、この生計の資本の贈与の範囲や金額的な大きさはわかりづらく、いずれが特別受益で、そうでないかというのは一般の人にとって判断しづらいところです。

さらに、贈与した金額がいくらであったかということや、その贈与が物であるとした場合に相続時点でいくらに評価されるかなどの算定も簡単ではなく、やっかいなものとなります。3-1.JPG

 (2) 寄与分

 一方、相続財産に加算すべき財産ではなしに、相続財産から別枠として除きなさいというものが寄与分の財産です。

この寄与分は相続人の中で、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人かの財産の維持又は増加について特別の寄与をした者がいれば、相続人の協議で決めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなすことになっています。

この寄与分の対象となるのは、相続人で事業を手伝ったこと、あるいは、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持や増大に特別の寄与があった場合とされています。 

通常、同居して親御さんの面倒や世話をされる程度のことは扶養義務の範疇とみなされ、寄与分として認められていません。

介護や看護をすることがたいそうな世の中になってはいますが、それらが夫婦や親子間では当たりまえとされる間は、寄与分として認められていないのが現状です。この寄与分の金額は相続財産から除いて相続分を計算し、寄与者についてその寄与分を加算しましょうと定められています。3-2.JPG 以上、相続時の財産だけでなく、特別受益や寄与分があればそれらを考慮して、相続分を算定しなさいと法律は定めています。

 

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