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失敗しない遺言書 第7回 「遺言書の管理に関する注意点」(2012/01/20)

遺言書を作成しても、その後の管理や運用をきちんとされていなければ、効力が発揮されずに終わってしまいます。そのようなことにならないように作成後も注意が必要です。

1 安全確実な運用管理

 遺言書は作成しても、死後、その遺言書が効力を持たなければ、意味のないものになります。相続後に遺言書が受遺者によって明らかにされたり、あるいは、家庭裁判所の検認の手続きがされなければなりません。その点、遺言書が変造、隠ぺい、あるいは、紛失されないように注意しなければなりません。

  • (1) 遺言書の偽造や隠ぺい

 遺言書は、遺言者の相続に関わる唯一の法的な効力を持った意思表示ですが、その効力が故に、時として遺言書の偽造や、あるいは、遺言書の改ざんが発生します。

 「偽造」とは、遺言書を遺言者自身に成り代って、自身に有利なように遺言書を作成することをいい、「変造」とは、遺言書の中身を書き換えることです。

これらは遺言書の要件さえ満たしていれば、有効であることから、例えば、本人の筆跡に似せて記載し、署名押印することで、要件を満たす自筆証書遺言を作成することができます。

 また、遺言書が相続人等にとって、都合の悪いものであれば、遺言書を表に出さないで、こっそりと処分してしまうこと(隠ぺい)もあります。

 

 しかし、このような遺言書の偽造や変造、隠ぺいは、その行為自体によって相続人としての地位を失います。これを「欠格事由」といい、この「欠格事由」に該当すれば、遺言により財産を受けることができなくなることは無論のこと、分割協議にも参加できなくなります。

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このような点から、遺言書を相続人等に預けたり、金庫に閉まっておくよりは、信頼できる者や専門家に預けて、将来に備える方が、遺言書の実現性を高めることになろうかと思います。

 

2 変動に合わせて遺言書の継続管理を行う

 遺言書を作成したからといって安心せず。遺言の意志の変更による書換えはもちろん、その財産や受遺者の変動に伴って、見直し、状況に合った内容の遺言書に作り変えていくことが大切です。

  • (1) 財産の変動

遺言書に記載されている不動産が処分されてしまいますと、その不動産を受け取る予定であった受遺者はその財産を得ることが出来ません。また、処分した際の代金が預貯金として残されている場合に、その預金が遺言で他の受遺者に相続されることになっていますと、その他の受遺者がその処分代金を受け取ることになります。このようになれば、遺言者の本来の意志とは異なった遺産相続となります。

  • (2) 受遺者の変動

遺言で特定の財産を受ける予定であった受遺者が遺言者より先に亡くなってしまいますと、その財産についての遺言の効力は失われ、相続人の遺産分割協議の対象となってしまいます。亡くなった受遺者の子に自動的に相続されるわけではなく、改めて遺言し直さなければなりません。

 

 以上のように、遺言書を作成したからといって安心せず、財産や受遺者の変動に合わせて、遺言書の内容をチェックしていかなければなりません。遺言書を作成する限り、徹底して、兄弟姉妹間で争いが起きないように財産の承継を図らなければなりません。

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NPO法人 相続相談センター