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Ⅰ 相続税改正の方向 第1回 相続税の基礎控除 その1

 Ⅰ 相続税改正の方向

 来年予想される相続税の計算方法の大改正について、現在、検討されている日税連と主税局の意見交換会での内容から、その骨子を10回近くにわたってお伝えしていきます。

 

第1回 相続税の基礎控除 その1

 現在の相続税の計算では、被相続人の財産が次の算式の計算による金額を超えた場合に相続税の税額が算出されます。

 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

 

(1) 現在の制度の問題点

 現在の税額計算の流れを簡単に表すと以下のようになります。

2008y09m26d_164833156.jpg

 

 この課税方法では、次の2つの点が問題とされています。

     1人の相続人の申告漏れにより、他の相続人にも追徴税額が発生すること

例えでもってこの事実を確認しましょう。

 

●例:財産1億円で子が2人の場合(子Aが6,000万円、子Bが4,000万円)

 

イ 申告による税額計算

課税遺産総額:1億円-(5,000万円+1,000万円×2人)=3,000万円

各相続人の法定相続分財産額:  3,000万円÷2人=1,500万円

相続税の総額:1,500万円×15%50万円=175万円

                            175万円×2人=350万円

各人の相続税: 子A 350万円×(6,000万円÷1億円)=210

          子B 350万円×(4,000万円÷1億円)=140万円

   

子A

子B

相続財産

6,000万円

4,000万円

相続税額

210万円

140万円

 

 

ロ 上記の例に対し、子Aに1,000円の申告漏れがあった場合  

 

課税遺産総額:11,000円-(5,000万円+1,000万円×2)

                          4,000万円

各相続人の法定相続分財産額:  4,000万円÷2人=2,000万円

相続税の総額:2,000万円×15%50万円=250万円 

              250万円×2 人 = 500万円

各人の相続税:子A 500万円×(7,000万円÷11,000円)=

          3181

        子B 500万円×(4,000万円÷11,000円)=

           1818万円

 

子A

子B

相続財産

7,000万円

4,000万円

相続税額

318万円

182万円

修正税額

108万円

42万円

 (注)さらに子ABとも修正申告に伴う加算税や延滞税が課されます。

 このように申告漏れのなかった子Bも修正税額や加算税等の税額が付加さ れてしまいます。 

 

 

   相続財産が同じ額でも、相続人の数によって税額が異なること。

      

●例:上記①の例で子が2人から3人になった場合で、子Cの相続財産がないとき

  

子A

子B

子C

相続財産

6,000万円

4,000万円

0

相続税額

120万円

80万円

0

①のイと比較した税額の差

90万円

60万円

  このように法定相続人が1人増えることによって、子A、子Bの税額が合わせて150万円も安くなります。養子を取ると税額が安くなることの表れです。

1)    検討の方向

 「基礎控除を遺産総額からの控除に代えて取得者段階での取得財産価額からの控除とする。ということで、各相続人等の財産から一定の基礎控除額を控除して税額計算する方法に変更される予定です。この基礎控除は 1人あたり1,000万円から2,500万円ぐらいと予想されています。

                以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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