Ⅰ 相続税改正の方向 第2回 相続税の基礎控除 その2
第1回では、相続税の基礎控除について、問題点を指摘し、取得者ごとの基礎控除に改正の予定であることを述べました。本日は取得者ごとの基礎控除について説明いたします。
1 相続税の取得者段階の基礎控除と税率
取得者と被相続人との身分関係に応じて基礎控除額や税率に差を設けるとして、①配偶者、②配偶者以外の法定相続人、③受遺者(相続人以外で遺言により財産を受ける者)で分ける方向で検討されています。
例えば、次のように基礎控除の金額が異なることになります(この控除金額はあくまでも仮定の数値です)。
① 配偶者 2,500万円
② 配偶者以外の法定相続人 2,000万円
③ 受遺者(相続人以外の者で遺言で財産を取得した者) 1,000万円
イ 課税財産額
子A 取得財産6,000万円-基礎控除2,000万円(注1)=4,000万円
孫C 取得財産4,000万円-基礎控除1,000万円(注2)=3,000万円
ちなみに現行の相続税の税率で上記の例を計算すると
ロ 税額
子A 4,000万円×20%-200万円=600万円
孫C 3,000万円×15%-50万円=400万円
400万円×(1+20%(注3))=480万円
と合わせて1,080万円となり、現行と比較して随分高くなります。
(注1) 配偶者以外の相続人のため、基礎控除額は2,000万円となります。
(注2) 受遺者のため、基礎控除額は1,000万円となります。
(注3)現行の税制の場合、被相続人の配偶者及び一親等の血族以外は、相
続税額が2割加算されます。
この基礎控除額で相続税を計算してみます。
●例:1億円の財産を子Aが6,000万円,子Bは0円、孫C(子Aの子)が遺言により4,000万円(法定相続人子の2人)取得した場合
この計算ですと、現行と比べて税額が増加してしまいます。ただし、これは税率を現行のままで計算していますので、税率が変われば異なってきます。
また、バブル前の昭和62年までの基礎控除が(2,000万円+400万円×法定相続人の数)ですので、その控除額を用いて同じ1億円で計算してみますと、次のようにさほど例示と変わらない税額が算出されます。
各相続人の法定相続分財産額: 7,200万円÷2人=3,600万円
相続税の総額: 3,600万円×20%-200万円=520万円
520万円×2人=1,040万円
各人の相続税: 子A 1,040万円×(6,000万円÷1億円)=624万円
孫C 1,040万円×(4,000万円÷1億円)=416万円
416万円×(1+20%(2割加算))=499.2万円
合計 1,123.2万円となります
配偶者、配偶者以外の法定相続人、受遺者の基礎控除額や税率がどのようになるのか、まだ、わかりませんが、以上のような計算方法になるかと思われます。
以上。

















