Ⅰ 相続税改正の方向 第6回 養子の制限
1 現行の制度
養子縁組により、法定相続人の数が増すことで基礎控除が増え、また、累進税率が緩和されて相続税の総額が少なくなります。
このことから税法では、被相続人に養子がある場合のその法定相続人の数に算入するその被相続人の養子の数は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに定める養子の数に限るものとなっています。(昭和63年改正)
① その被相続人に実子がある場合………1人
② その被相続人に実子がない場合………2人
2 問題点
養子により、その養子が財産を相続しない場合でも、相続税の総額は少なくなることに関し、国は問題があると考えています。
3 検討の方向
税額計算の方法が相続人等の取得した財産に一定に基礎控除を差し引いた金額に税率を乗ずる方法に改められるため、養子が財産を取得しなければ影響しません。
養子が実際に財産を取得した場合に始めて基礎控除の増加や累進の緩和の効果が生じることになることを踏まえ、基本的には、税額計算において養子は実子と同じ扱いとします。
結果的に、養子が財産を取得すれば、基礎控除を用いることや相続人全体に係る累進税率が緩和されるため、相続税の総額が減少します。
● コメント
現行のような養子規制がなくなり、養子が実際に相続財産を取得することによって、相続税の総額が減少するのであれば、財産を取得する前提での養子縁組が増加する可能性が考えられます。

















