Ⅰ 相続税改正の方向 第8回 申告と連帯納付義務
1 納税地
現行税制で相続税の申告を行う納税地は、被相続人の住所地をなっていますが、改正の方向でも同様に被相続人の住所地となります。
2 申告義務
(1) 現行の制度
相続等により取得したすべての者の課税価格の合計額が基礎控除額を超え、かつ、相続税が発生する場合には、相続税の申告をしなければなりません。
(2) 検討の方向
遺産取得税方式に変更されることから、相続人等の一人一人がその取得した財産等が基礎控除額を上回り、かつ、税額が算出される場合に相続税の申告義務が生じます。
ただし、未分割の場合には、未分割の財産を全部取得した場合に税額が生じる者は申告しなければならないようになります。
(3) 申告の問題点
取得者段階での基礎控除の場合、相続人間で申告する者と申告しない者が生じます。このため、被相続人の財産全体が把握しづらくなります。この点を課税当局がどうカバーするのか疑問が残ります。
3 連帯納付制度
(1) 現行の制度
同一の相続人から相続等により財産を取得したすべての者は、その受けた利益の範囲内で互いに相続税に係る連帯納付義務があります。
(2) 連帯納付の問題点
申告時に納税義務者が連帯納付義務を十分に理解しておらず、また、連帯納付義務を負いながら、他の取得者の相続税の納付状況がわからないため、不意に連帯納付義務を負わされる場合があります。
また、延納が許可された場合には、他の取得者は長期にわたり連帯納付義務を負うことになります。
(3) 検討の方向
未分割である等の一定の場合を除いて、連帯納付義務を廃止する方向で検討されています。
以上でこの相続税改正のシリーズを一旦、終了していただきます。

















