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相談コラム

広大地評価の廃止(改正)の影響(2018/06/10)

平成30年から広い敷地の評価で適用された広大地の評価方法がなくなり、その代わりに新たに地積規模の大きな宅地の評価が生まれました。

 従前の広大地の評価ですと、開発許可に必要な面積を有する土地で、かつ、マンション適地ではなく、しかも、道路等の公益公共的施設を設ける必要があれば、評価が半分になるような影響の大きな評価方法でした。

ただし、広大地に該当するかどうかの判断は税理士には難しく、不動産鑑定士や建築の専門家の協力がないと判断が下せないという代物で、例えば、その評価すべき土地と同じ用途地域で建ぺい率、容積率を持った地域を視察し、また、役所で過去の開発申請の記録簿を閲覧して、戸建て住宅の申請がどのぐらいあるか調べたりしたものでした。

ところが、平成30年からこの広大地の評価に代わって、「地積規模の大きな宅地の評価」ができました。

この「地積規模の大きな宅地の評価」は広大地の評価と異なり、評価の基準が明確で、三大都市圏においては500㎡以上が対象で、東京都の特別区で容積率300%未満、それ以外の地域で400%未満が対象とされ、路線価地域では普通商業・併用地区及び普通住宅地域において適用されることとなりました。この要件に該当すれば今までの評価額が2割から3割ダウンすることになります。

いままで500㎡以上ある土地で広大地となるかどうか不明で、広大地として減額して評価されていなかった土地が、先ほどの要件に該当すれば、軒並み23割評価をダウンさせることができました。

予想もしなかったことですが、この改正によって、土地の評価が明らかに減少し、相続税の概算額が減少したという結果に、少々驚きを覚えたというのが正直な感想です。

 

 

相続税の申告は必要だが、相続税は出ない.(2018/05/27)

先日、ご姉弟が相談に来られました。この3月にお母さんが亡くなり相続税がかかるのではとご心配の様子です。

相続人はお2人だけなので、基礎控除額は4,200万円。それに対してお母さんの財産は、金融資産が1,000万円ですが、所有されているご自宅の土地の面積が約80坪で4,000万円となり、合せると5,000万円で基礎控除額を超えます。

これらの財産で計算すると、控除額を800万円上回って、相続税が10%の80万円ほど見込まれます。

その上で、お2人にお母さんと同居されているか、あるいは、マイホームをお持ちでいらっしゃるかお尋ねすると、母は一人住まいで、お二人は各々賃貸にお住まいとのことでした。そこで「お二人のいずれかがその自宅の敷地を相続しても、相続税では自宅の土地の評価の減額制度があって、4,000万円の土地の評価がその2割の800万円になること」や「そうなれば、金融資産と合せても、1,800万円ほどで他に特に財産がなければ、相続税はかからない」と申し上げました。お二人とも本当に税金がかからないのかと不安げでありましたが、補足説明(配偶者や同居の親族がいず、非同居の相続人等が賃貸でお住まいとなると330㎡までの土地の評価について8割減額される「小規模宅地の減額の特例」制度の適用されること。平成304月以降の相続から適用要件が一部改正された。)をさせていただいてようやく相続税がかからないということに一安心されました。ただし、「この規定の適用を受ける旨の相続税の申告書を税務署に提出することで、結果、相続税がからなくなるということなので、申告だけは忘れないでください。」と申し上げる。

申告をすれども相続税はかからないということはこのようなケースの場合(自宅の土地について小規模宅地の特例制度を使うこと)でよく有ることです。ですから、自宅の土地の評価が高くても、金融資産等の他の財産がさほどでなければ、相続税がかからないということがしばしば起こり得ます。

配偶者への自宅の贈与の節税効果(2018/04/25)

前回に続き、自宅の贈与について述べます。

現在、婚姻期間20年以上の夫婦における自宅の土地建物の贈与に関し、評価額で2,000万円までは無税となっています。

この適用を受けようとされる方の大半は相続税も安くなると思って贈与されますが、すべての方がそのとおりあてはまるものではないと思います。

普通に考えれば配偶者に自宅の土地や建物といった財産を移すことで本人の財産が2,000万円ほど減少し、本人に係る相続税が節税できます。確かにそのとおりです。

ただし、次のように考慮すべき点があります。

一つは配偶者の財産が増加することです。

本人の財産が多い場合は、通常、配偶者税額軽減制度を利用して配偶者にも財産を持たせ節税することが多いのですが、一方で、配偶者の財産として将来課税されることになり、本人で節税できても、配偶者の方で相続税が課されることになります。

もう一つは自宅の土地が対象となる小規模宅地の減額制度があることです。

相続税では本人の居住していた自宅の土地については、配偶者が相続すれば、330㎡まで20%に評価が減額される特例があります。もし、自宅の敷地が330㎡(約100坪)までであれば贈与しなくても、そもそも2割の評価で相続税が計算できます。

それでも、贈与しておいて経済的に損がなければよいのではと思われるかもしれませんが、贈与すれば不動産に係る登録免許税が相続の場合よりも高く、不動産取得税も掛かります。つまり、相続より贈与の方が費用が掛かるということで、結果的に相続税の節税を加味しても経済的に得しないというケースもあるからです。

この両方の点で、配偶者への贈与がすべからく得と言い切れないこともあります。

 

配偶者への自宅の贈与や遺贈(民法の改正と税制)(2018/04/07)

昨今、民法の改正を検討している法制審議会で取り上げられているもの一つに、配偶者の自宅に住む権利「配偶者居住権」があります。

自宅を婚姻期間が20年以上の配偶者へ生前に贈与した場合や遺言で遺贈した場合には、これを相続時に相続財産に加算する特別受益に含めないとするものです。本来、特別受益(過去の主要な贈与や遺贈)は相続財産に加えることで相続人の財産のバランスを保とうとするものですが、長年連れ添った夫婦間での自宅の贈与や遺贈がある場合にはその対象から外し、配偶者の相続分を減らさずに配偶者の財産の取り分を確保させようというものです。

この民法の改正が行われますと、それに合わせて相続税においても、配偶者に遺贈された自宅の土地や建物については、課税されない方向で改正されるものと思われます。

現在、相続税では、配偶者の同一世代間での相続税の二重課税の防止のために、配偶者が取得した財産額(課税価格の合計額、以下同じ)が法定相続分(法定相続人が配偶者と子であれば、2分の1)までか、もしくは、財産額が16,000万円までは課税されないこと(これを「配偶者の税額軽減制度」といいます)になっています。

この配偶者の税額軽減制度に遺贈された自宅の土地建物が加わって、「法定相続分+遺贈された自宅の土地建物」か、または、「財産額16,000万円+遺贈された自宅の土地建物」までは課税されないというようになって、配偶者の無税の取り分が多くなるのではないかと思われます。

 

 

子のいない老夫婦の金融資産の行き先 国に行っても良いか?(2018/03/21)

介護施設に入居している子のいない老夫婦がいます。別にかって居住していた3階建て(1,2階居住、3階賃貸)の不動産を夫婦共有で所有し、また、お互いに十分な預貯金があります。

夫婦の間で20年前に公正証書遺言を作成しました。各々自分が亡くなったら、不動産については2分の1を配偶者に、残り4分の1づつを夫の甥(弟の子)2人にという内容です。その後某信託銀行が関係して、夫の方の遺言について現預金等の金融資産を配偶者に全部与えるという内容を追加して10年前に公正証書遺言を書き改めています。

現在、妻の方は認知症を発症し、かつ、病院に入院中です。妻には兄弟姉妹やその子にあたる相続人がいず、唯一夫だけが相続人です。

もし、夫の方が先に亡くなってしまえばどうなるでしょうか?

夫の方の遺言書によって、金融資産は全部妻に渡ります。でも、その後妻が亡くなれば金融資産は行き場を失います。

すなわち、相続人がいないので、国庫に行きます。夫の弟さん夫婦が約10年前に施設に入所後何かと面倒もみていますので、特別縁故者として一部財産に預かるかもしれないという程度です。

 

なぜ、「金融資産を配偶者に」という内容の遺言書を作成したのでしょうか?

妻の方で遺言書を改めることは困難ですが、夫の方が判断能力を失っていないので、最善の方法としては、今のうちに遺言書の内容を改めるべきです。

「預貯金等の金融資産について弟(又は甥)に相続(又は遺贈)させる。」

このように改めておくべきかと思います。

 

自宅敷地の分筆と税制改正(2018/03/17)

一昨日で平成29年確定申告の業務も無事終了しほっとします。

本日のご相談は母と息子さん揃ってのご相談です。

一筆の中に母の自宅、息子家族の自宅、道路際に数台の貸駐車場がある宅地について、計画していた分筆を勧めるかどうかのご相談でした。

3か所を分筆することで①駐車場部分だけを息子さんに贈与しやすく(今のままなら一筆の持ち分での贈与となって母自宅部分、息子自宅部分、駐車場部分が混じる)なり、かつ、②母の自宅の土地を将来相続した際に相続税の小規模宅地の特例制度の適用を受けるために考えていたものだが、②の方は平成30年税制改正のよってその適用ができなくなってしまったため、分筆する意味について再考を余儀なくされたものでした。

結論は出なかったのですが、昨年に12月に平成30年の税制改正大綱が発表されて、早速影響を受けたものでしたが、こちら実施した後に改正されるよりもまだましと思いましたが、今回の小規模宅地の特例の改正についてはその節税策を封じ込める動きの早いことに感心する次第でありました。

 

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NPO法人 相続相談センター