税務他

不動産賃貸の免税事業者とインボイス(2022/08/18)

 不動産賃貸の場合、住居の貸付や未整地の土地の貸付については消費税はかかりませんが、店舗や事務所の貸付や整地した駐車場の貸付は消費税が課税されます。また、課税される賃貸収入が1,000万円以下ですと消費税は免税となります。
 すなわち、不動産賃貸業の場合、貸家や賃貸アパート、賃貸マンション等であれば、賃貸収入が幾らあっても消費税は関係なく、店舗や事務所の賃貸や整地した月極駐車場等の収入が1,000万円を超えなければ免税となります。
 令和5年10月から消費税にインボイス制度が導入されます。インボイス制度は、請求書や領収書等において登録番号等の一定の要件が加わるもので、この登録番号を得るために事業者は登録申請しなければなりません。事業者は消費税を受け取った場合に、相手方からの求めに応じて登録番号の入った請求書や領収書を発行しなければならず、この登録番号がなければ、支払った側において消費税を申告上控除することができなくなります。
 もし、不動産賃貸オーナーが免税事業者のままであれば、事業者が店舗や事務所の賃貸料や整地した月極駐車場の駐車料で消費税を支払っていても、消費税を控除できないことになります。このような場合に今後不動産オーナーはどうすべきかというと、一般的に次のいずれかが考えられます。
 ① 消費税の登録事業者になり、課税事業者として消費税を受領し、消費税を納付する。
 ② 消費税を受領しないようにして、免税事業者を続ける。
 この2つを比較すると、今まで仮に10,000円(税抜き)であれば1,000円の消費税を受け取っていた場合、①の方法では、1,000円の消費税を受け取り、そのうち、600円の消費税(簡易課税を適用して申告したとき)を納めますが、手元に400円が残ります。一方、②では、1,000円の消費税を受け取らなくなりますので、手元は0円となります。となれば、消費税の登録事業者となって消費税をもらう①の方が得となります。
 もう一つ、次のような方法も考えられます。
 ③ 消費税を受領しないかわり、賃料の値上げを求め、10,400円の賃貸料とする。
 この③の場合ですと、①の消費税登録事業者になったケースと手元に残る額は同じです。もし、免税事業者のままで消費税を受け取らない場合には、消費税(1,000円)の40%を超える金額を値上げできれば、登録事業者になるより得ということになります。
 いずれにしろ、不動産賃貸オーナーは、相手方が事業者で課税取引がある限り、上記の3つのいずれかの対応を迫られることになります。

相続登記の義務化(2022/04/22)

 令和6年4月1日より、不動産の相続登記に関して、3年以内に登記を行わなわなければならなくなりました。

(1)3年以内に相続登記をする義務

 不動産の登記名義人に相続が発生した場合、相続または遺贈により不動産の所有権を取得した相続人は、「自己のために相続開始があったことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」に相続登記の申請等をすることが義務付けられました。
 これにより申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられます。
 また、法改正以前から相続登記をしていない不動産についても同様になり、原則、改正法の施行日または自分が相続により不動産の取得を知った日のいずれか遅い日から3年以内に行わなければならなくなりました。

(2)「相続人申告登記」の制度の新設

 法定相続人間の遺産分割協議がまとまらず、3年以内に相続登記ができないときは、自分が相続人であること戸籍で示して申告をすることで、相続登記義務を免れる制度(これを「相続人申告登記」と言います。)が新設されました。
 この登記が申請された場合には、法務局(登記官)が登記簿に申告をした者の住所・氏名住所を記載します。これは不動産所有者に相続が発生していることを表しているだけで相続登記そのものではなく、あくまで登記義務を免れることができる予備的な制度で、不動産所有者に相続が発生している旨を表しているものです。
 従って、その後遺産分割協議が成立し、不動産を承継する相続人が決まった場合、遺産分割協議がまとまった日から3年以内に、改めて遺産分割に基づく相続登記申請を行うことになります。

令和4年住宅借入金等特別控除(改正予定)(2022/02/16)

1.概要

住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、令和7年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。

2.住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額

住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額(住宅の取得等の対価の額又は費用の額(注1)が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その取得等の対価の額又は費用の額。以下「年末残高等」といいます。)を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します(100円未満の端数金額は切り捨てます。)。

(1)一般住宅の場合

① 新築又は居住用家屋で建築後、使用されたことのないものの取得又は宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋の場合

居住の用に供した年 各年の控除額の計算(控除限度額) 控除期間
令和4~5年 年末残高等(上限3,000万円)×0.7% 13年
令和6~7年 年末残高等(上限2,000万円)×0.7% 10年

② ①以外の既存住宅の取得又は住宅の増改築の場合

居住の用に供した年 各年の控除額の計算(控除限度額) 控除期間
令和4~5年 年末残高等(上限2,000万円)×0.7%
10年
令和6~7年

(2)認定住宅等の場合


居住の用に供した年 各年の控除額の計算(控除限度額) 控除期間
認定住宅 令和4~5年 年末残高等(上限5,000万円)×0.7% 13年
令和6~7年 年末残高等(上限4,500万円)×0.7%
ZEN水準
省エネ住宅
令和4~5年 年末残高等(上限4,500万円)×0.7%
令和6~7年 年末残高等(上限3,500万円)×0.7%
省エネ基準
適合住宅
令和4~5年 年末残高等(上限4,000万円)×0.7%
令和6~7年 年末残高等(上限3,000万円)×0.7%

上記の「認定住宅等」とは、認定住宅、ZEN水準省エネ住宅及び省エネ基準適合住宅をいい、「認定住宅」とは、認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅を言います。
上記のうち、住宅の取得等が認定住宅等で建築後使用されたことのあるものの取得の場合には借入の上限額は一律3,000万円で控除期間は10年となります。

(注1) 住宅の取得等に際して住宅取得等資金の贈与を受け、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」又は「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」を適用した場合には、その適用を受けた住宅取得等資金の額を控除します。
(適用要件については省略いたします。)

令和2年からの個人所得税の改正点(2021/03/06)

 令和2年分以後の所得税について、次のように改正となります。(住民税も令和3年分から同様の改正となります)

1.給与所得控除の見直し

(1)給与所得控除額が一律10万円引き下がります。

(2)給与所得控除の上限が適用される給与等の収入金額が850万円で、その上限額が195万円に引き下がります。

□令和2年からの給与所得控除

給与等の収入金額
給与所得控除
162.5万円以下
55万円
162.5万円超180万円以下
収入金額×40%-10万円
180万円超360万円以下
収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下
収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下
収入金額×10%+110万円
850万円超
195万円

2.基礎控除

(1)控除額が一律10万円引き上げられます。

(2)ただし、合計所得金額が2,400万円を超える個人については、控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える個人については、基礎控除の適用がなくなります。

□基礎控除額

合計所得金額
基礎控除額
2,400万円以下
48万円
2,400万円超2,450万円以下
32万円
2,450万円超2,500万円以下
16万円
2,500万円超
0円

3.所得金額調整

 給与所得控除額の10万円の引下げや基礎控除額の10万円の引上げに伴い、次の所得控除を受けるための所得要件が見直されます。

□所得控除適用の所得金額要件

所得控除
現行改正後
配偶者控除
合計所得金額38万円以下
合計所得金額48万円以下
扶養控除
合計所得金額38万円以下
合計所得金額48万円以下
配偶者特別控除
合計所得金額38万円超123万円以下
合計所得金額48万円超133万円以下
勤労学生控除
合計所得金額65万円以下
合計所得金額75万円以下

4.配偶者控除、配偶者特別控除

 基礎控除額が38万円から48万円へ10万円引上げられたことにより、配偶者控除及び配偶者特別控除の適用範囲が次のとおり変更されました。

本人の給与所得金額
配偶者の所得金額が
48万円以下の場合

配偶者の所得金額が
48万円超95万円以下の場合

配偶者の所得金額が
95万円超133万円以下の場合

配偶者の所得金額が
133万円超の場合

900万円以下
38万円
38万円
36万円~3万円
0
900万円超
950万円以下

26万円
26万円
24万円~2万円
0
950万円超
1,000万円以下

13万円
13万円
12万円~1万円
0
1,000万円超
0 0
0
0

5.公的年金控除

(1)公的年金控除額が一律10万円引き下がります。

(2)公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の控除額について上限額を設け、その上限額が195.5万円となります。

 また、公的年金等収入以外の所得金額が1,000万円を超える場合は控除額が10万円引き下げられ、2,000万円を超える場合には控除額が20万円引き下げられます。

□公的年金控除額(公的年金等収入以外の所得金額が1,000万円以下の場合)

公的年金等の収入金額
公的年金控除額
360万円以下
収入金額×25%+40万円(65歳未満最低額60万円、
65歳以上最低額110万円)

360万円超720万円以下
収入金額×15%+76万円
720万円超950万円以下
収入金額×5%+148万円
950万円超
195.5万円

  参考:現状の所得税の税率は以下の表のとおり

課税所得金額
税率
課税所得金額
税率
195万円以下
5%
900万円超1,800万円以下
33%
195万円超330万円以下
10%
1,800万円超4,000万円以下
40%
330万円超695万円以下
20%
4,000万円超
45%
695万円超900万円以下
23%

※住民税の所得割の税率は全て10%

令和3年改正による住宅取得等資金の贈与の非課税(2021/01/10)

1.令和3年の改正内容

 直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税措置について、令和3年の税制改正により、令和3年3月31日までであった非課税限度額が令和3年12月31日まで延長されます。

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日
省エネ等住宅
左記以外の住宅
令和2年4月1日~令和3年3月31日
1,500万円
1,000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日
1,200万円
700万円


住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日
省エネ等住宅
左記以外の住宅
令和2年4月1日~令和3年12月31日
1,500万円
1,000万円

※省エネ等住宅とは、耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋である。

 なお、この適用がされる住宅の床面積は50㎡以上240㎡以下で、受贈者のその贈与を受けた年分の所得税の合計所得金額が2,000万円以下が適用要件とされますが、改正により合計所得金額が1,000万円以下であれば床面積の最低面積が40㎡以上となります。
 この改正は、令和3年1月1日以後の贈与から適用されます。

2.住宅取得等資金の贈与の非課税とは

 平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

3.住宅取得等資金の贈与の非課税の適用要件

次の要件の全てを満たす受贈者が非課税の特例の対象となります。

①贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。
贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。
自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人からの住宅用の家屋の取得でないこと。
贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が一時居住贈与者又は非居住贈与者である場合を除きます。)。
贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。 

(「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等又は住宅の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得又は増改築等」には、その住宅の取得又は増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。また、対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られます。)

令和3年改正による教育資金の一括贈与及び結婚・子育て資金の一括贈与(2020/12/30)

1.教育資金の一括贈与の非課税措置の改正

(1)期限の延長

 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、その期限を令和5年3月31日まで2年間延長する。

(2)内容の改正
教育資金管理契約の終了の日までに贈与者が死亡した場合には、その死亡した日までの年数にかかわらず、同日における管理残高(非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額)を、受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなす。
 ただし、受贈者が次に該当する場合を除きます。
 イ)23歳未満である場合
 ロ)学校等に在学している場合
 ハ教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

②贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残高について、贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、相続税が2割加算されます。
 上記改正は、令和3年4月1日以後の新たな教育資金の一括贈与から適用されます。

2.結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の改正

(1)期限の延長

 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、その期限を令和5年3月31日まで2年間延長する。

(2)内容の改正

 贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残高について、贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、相続税が2割加算されます。
 上記改正は、令和3年4月1日以後の新たな結婚・子育て資金の一括贈与から適用されます。

  参考:教育資金の一括贈与の相続税課税の適用時期の違い

教育資金の
一括贈与の時期

平成31年3月31日までの
一括贈与

平成31年4月1日以後
令和3年3月31日までの一括贈与

令和3年4月1日以降の
一括贈与

贈与者の死亡時に上記の期間に係る教育資金の
一括贈与の残余がある場合の相続税の課税や対象額

相続税の課税なし
贈与者の死亡前3年以内に一括贈与の非課税の適用を
受けたものの管理残額(管理残額)

贈与者の相続開始時に、一括贈与の非課税の適用を
受けたものの管理残高

相続税の課税がある場合の2割加算
なしなし子以外の直系卑属が対象

令和3年改正後の住宅借入金等特別控除(2020/12/25)

1.改正の内容

 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除で控除期間13年の特別措置が、一旦、コロナによる改正により、入居期限について1年延長されていましたが、改めて令和3年の税制改正により、令和4年末まで入居期限が延長されました。

居住の用に供した年月
控除期間控除額
令和1年10月~2年12月
13年1~10年目
  • 年末残高×1%(40万円を限度)

11~13年目 次のいずれか少ない方の金額

  • 年末残高×1%(40万円を限度)
  • 消費税抜き後の住宅取得等対価の額(4,000万円を限度)×2%÷3

令和3年1月~12月
10年1~10年目
  • 年末残高×1%(40万円を限度)

↓コロナによる改正

居住の用に供した年月
控除期間契約期間控除額
令和1年10月~3年12月
13年〇注文新築の場合
令和2年9月30日までの契約

〇分譲・中古住宅や増改築の場合

令和2年11月30日までの契約

1~10年目
  • 年末残高×1%(40万円を限度)

11~13年目 次のいずれか少ない方の金額

  • 年末残高×1%(40万円を限度)
  • 消費税抜き後の住宅取得等対価の額(4,000万円を限度)×2%÷3

↓令和3年改正

居住の用に供した年月
控除期間契約期間控除額
令和1年10月~4年12月
13年〇注文新築の場合
令和2年10月1日から
令和3年9月30日までの契約

〇分譲・中古住宅や増改築の場合

令和2年12月1日から

令和3年11月30日までの契約

1~10年目
  • 年末残高×1%(40万円を限度)

11~13年目 次のいずれか少ない方の金額

  • 年末残高×1%(40万円を限度)
  • 消費税抜き後の住宅取得等対価の額(4,000万円を限度)×2%÷3

 なお、この適用がされる住宅の床面積は50㎡以上であり、また、その年分の合計所得金額が3,000万円以下でないと適用されないことになっていますが、令和3年の改正により合計所得金額が1,000万円以下の場合には、床面積の最低面積が40㎡以上と下限面積が引き下がりました。

2.住宅借入金等特別控除とは

 住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、令和4年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。

3.住宅借入金等特別控除の適用要件

 住宅借入金等特別控除のその適用要件は以下のとおりです。

①新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
10年以上にわたり分割して返済する方法になっている借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
新築又は取得した家屋をその居住の用に供した個人が一定の期間において、その新築又は取得をした家屋及びその敷地の用に供している土地等以外の資産について、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと。

平成31年税制改正 民法の改正による配偶者居住権等の創設(2019/01/08)

 民法の改正により、新たに配偶者居住権や特別寄与料が設けられ、相続税の取扱いや評価方法が定められました。

1.配偶者居住権

配偶者居住権等に係る建物や土地の評価は次のとおりです。

(1)建物

①配偶者居住権
 建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

②配偶者居住権が設定された建物(以下、「居住建物」という。)の所有権
 建物の時価-①の配偶者居住権の価額

(2)土地

①配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利
 土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

②居住建物の敷地の所有権等
 土地等の時価-①の敷地の利用に関する権利の価額

(注1)「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とします。
(注2)「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいいます。

(注3)「存続年数」とは、配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間である場合には、配偶者の平均余命年数とし、遺産分割協議等により定められた配偶者居住権の存続期間がある場合には、その年数(配偶者の平均余命年数を上限)とします。
(注4)残存耐用年数又は残存耐用年数から存続年数を控除した年数がゼロ以下となる場合には、上記イの「(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数」は、ゼロとします。

さらに配偶者居住権の設定の登記について、居住建物の価額(固定資産税評価額)に対し、1,000分の2の税率により登録免許税を課税します。

★民法の配偶者居住権

被相続人の配偶者に認められた相続後の自宅に住む権利で、その内容は次のとおりです。
被相続人の配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得したとき、又は遺言で指定されていたときに、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(「配偶者居住権」といいます。)を取得するもの。

この配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とされますが、遺産の分割の協議もしくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めによります。

2.特別寄与料

特別寄与料に係る課税については、次のように取扱われます。
(1)特別寄与者が支払いを受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、その特別寄与者が、その特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税します。

(2)上記の事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、その事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければなりません。
(3)相続人が支払うべき特別寄与料の額は、その相続人に係る相続税の課税価格から控除します。
(4)相続税の係る更正の請求の特別の特則等の対象に上記(1)の事由を加えます。

★民法の特別寄与料
従来、寄与分制度は相続人においてのみ認められており、相続人以外の者(例えば、相続人の配偶者)にはなかったものです。今回、相続人以外の者でも認められる特別の寄与分が制度化され、その内容は次のとおり。
被相続人に対して無償で療養看護そのほかの労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び欠格、または廃除によってその相続権を失った者を除きます。これを「特別寄与者」といいます。)が、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求するもの。

この特別寄与料の支払いについて、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して特別寄与料の額を定めます。