相談事例

一般の方が作成された相続税申告の確認

義理のお母さんが昨年亡くなられ、奥さんとその妹さんが相続人で、ご主人が作成された相続税の申告書が正しいかどうかみてほしいとお越しになられた。手書きの申告書であるが、よくできているような印象であった。
ざっと拝見せていただいて次の2点に気が付く。

自宅の土地の評価・・・奥さんの妹さんがお母さんと同居され、小規模宅地の減額が適正にされていたが、土地の評価そのものが正面路線価だけで計算され、奥行や不整形等の補正はされていなかった。
債務の計上・・・通常、被相続人の死亡前の期間に係る生活費や医療費、病院代あるいは施設等の住居費等あるいは固定資産税等の未払分が債務として考えられるが、これらが計上されていなかった。(これに関しては妹さんが通帳を所持していたためとのこと)

さらに次の点で大きな誤りがあった。

相続税の総額が算出されれば、その総額を相続人である姉妹の課税価格の合計額で按分して各人の納付すべき相続税とするが、何とその総額を法定相続分で按分(すなわち2分の1づつ)していた。お二人の課税価格の合計額の比率は1;3程度であったにもかかわらず、同額を納税額として計算していた。

申告書を受理した税務署からみれば、上記①や②の誤りに関しては相続税が少なくなるところをしていないだけ、すなわち修正すべき内容となっていないのでそのままになるが、各人の税額のところは指摘を受けるかもしれません。

一般的に、素人である相続人やお身内の方が作成された相続税の申告書は財産債務の範囲や評価及び税額計算等において、誤りや不適切な箇所が数多く散見されます。これは相続税の申告が極めて専門的であることに加え、単発的にしか生じないことや税制の改正等が頻繁にあることが影響しています。

結果的に申告された相続税が不足すれば税務署から修正される余地がありますし、過大であれば納税者が損をすることになります。多少過大であったとしても金額がさほど多くなければ、それはそれで良いのかもしれません。

先祖の名前のままの不動産の相続に関する通知(2022/01/19)

突然、弁護士から曾祖母の姉妹の配偶者の名義の不動産について相続人の一人に相続させたい旨の文書が送られて来た。

その内容は、相続人の一人に相続させ処分を図りたいとのこと、その意向確認の通知である。土地は3筆で100㎡程度の田畑又は原野のようで、その土地の価値は1万円程度と書かれている。文面では、「相続したい」「相続しない」「放棄する」その3つの中からいずれかを選んで回答することになっている。

できるだけ関与せずに終わらせるためには、相続しないことに同意するか、放棄するかであるが、放棄となると家庭裁判所に放棄の申述を行って放棄の受理証明書を取らないといけないことや自分で戸籍謄本等を用意しなければならないため、相続しない方に同意して、後日送られてくる遺産分割協議書に実印を押し、印鑑証明書を送るのが一番手間も費用もかからない方法である。

ほっておいても、また、何らかの文書や連絡が来るであろうことから、相続しないということで協力されるのが皆にも迷惑を掛けない方法であるとお勧めした。

奥さんが先に亡くなった場合の遺言の指定(2021/12/10)

奥さんがご主人に遺言を作成してほしいと考えています。そのご夫婦には娘さんが2人いますが、ご主人のすべての財産を奥さんに相続させることでお二人の意見は一致しています。ただし、奥さんの方は、もし奥さんが先に亡くなった場合についても遺言してほしいと思っていますが、ご主人の方はそこのところが曖昧なようです。

奥さんの希望もあって、私の方から「奥さんが先に亡くなっていた場合も娘さんの間でもめないように遺言されておいた方がいいです。遺言書には、1として奥さんにすべての財産を相続させる旨を記載し、2として奥さんが先に亡くなっていた場合には、長女○○には・・・を、次女○○には・・・を というように一枚に記載すればよいですよ。」とご説明申し上げる。

これで、ご主人が奥さんが先に亡くなっていた場合の分配について奥さんとも意見を交わしたうえで、遺言書を作成するのみである。

奥さんは、娘のうち、一人が独身でもあり、二人に均等でなく片方に多くしたい意向であった。

遺言書の法務局の保管制度の利用を行う(2020/07/18)

借入金は配偶者が相続すればよいという間違い(2020/04/09)

配偶者居住権が2次相続で評価されないことが確定(2019/12/14)

「遺言があることの確認」というタイトルの書籍の出版(2019/08/24)

配偶者居住権は2次相続に係る相続税対策となるか?(2019/07/02)

2次相続税を考慮した配偶者の自宅敷地の相続(2019/04/26)

相続税の申告が必要かどうか?(2019/03/19)