HOME > 税務その他情報 > > 平成31年税制改正 民法の改正による配偶者居住権等の創設

カテゴリー

最新の記事

月別アーカイブ

税務その他情報

平成31年税制改正 民法の改正による配偶者居住権等の創設(2019/01/08)

民法の改正により、新たに配偶者居住権や特別寄与料が設けられ、相続税の取扱いや評価方法が定められました。

1.  配偶者居住権

配偶者居住権等に係る建物や土地の評価は次のとおりです。

(1) 建物

   配偶者居住権

建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

   配偶者居住権が設定された建物(以下、「居住建物」という。)の所有権

建物の時価-①の配偶者居住権の価額

(2) 土地

   配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利

土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

   居住建物の敷地の所有権等

土地等の時価-①の敷地の利用に関する権利の価額

 

(1)「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とします。

(2)「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいいます。

(3)「存続年数」とは、配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間である場合には、 配偶者の平均余命年数とし、遺産分割協議等により定められた配偶者居住権の存続期間がある場合には、その年数(配偶者の平均余命年数を上限)とします。

(4) 残存耐用年数又は残存耐用年数から存続年数を控除した年数がゼロ以下となる場合には、上記イの「(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数」は、ゼロとします。

 

さらに配偶者居住権の設定の登記について、居住建物の価額(固定資産税評価額)に対し、1,000分の2の税率により登録免許税を課税します。

 

★民法の配偶者居住権

被相続人の配偶者に認められた相続後の自宅に住む権利で、その内容は次のとおりです。

被相続人の配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得したとき、又は遺言で指定されていたときに、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(「配偶者居住権」といいます。)を取得するもの。

この配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とされますが、遺産の分割の協議もしくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めによります。

 

2.  特別寄与料

特別寄与料に係る課税については、次のように取扱われます。

(1)  特別寄与者が支払いを受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、その特別寄与者が、その特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税します。

(2)  上記の事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、その事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければなりません。

(3)  相続人が支払うべき特別寄与料の額は、その相続人に係る相続税の課税価格から控除します。

(4)  相続税の係る更正の請求の特別の特則等の対象に上記(1)の事由を加えます。

 

★民法の特別寄与料

従来、寄与分制度は相続人においてのみ認められており、相続人以外の者(例えば、

相続人の配偶者)にはなかったものです。今回、相続人以外の者でも認められる特別の寄与分が制度化され、その内容は次のとおり。

被相続人に対して無償で療養看護そのほかの労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び欠格、または廃除によってその相続権を失った者を除きます。これを「特別寄与者」といいます。)が、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求するもの。

この特別寄与料の支払いについて、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して特別寄与料の額を定めます。

ページトップへ
NPO法人 相続相談センター